廃菌床でパッションフルーツ収量43%増——ただし『100%使用』が失敗した理由
廃菌床・海藻泥・川砂を配合した16培地を比較。最良区の増収と、EC上昇で純粋廃菌床区が不調になった仕組みを解説します。
文:けんゆー
キノコ栽培後の廃菌床をパッションフルーツの培地へ再利用できるか。福建省の研究は、接ぎ木苗『Qinmi No. 9』を用い、15種類の廃菌床配合培地と土壌対照をハウス内で比較しました。
60L袋・2株、16処理を比較
廃菌床は豚ふんと20対1で好気堆肥化し、海藻泥、約6mmの川砂と混合しました。各処理7袋、1袋約60L・2株で栽培し、培地物性、生育、収量、品質、細菌・菌類群集を測定しました。
3:1:1配合で収量3.85kg/株
Pleurotus geesteranus廃菌床:海藻泥:川砂=3:1:1のT4区は、対照より一果重8.2%、果数24.8%、株当たり収量43.1%増加。可溶性固形物11.3%、糖27.6%、ビタミンC30.6%増え、酸度は19.3%下がりました。
有機物が多いほどよいわけではない
廃菌床100%区は養分が多い一方、ECが後期に6.12〜8.24へ上がり、落葉と低収量が見られました。T4は排水・保水・塩類緩衝のバランスがよく、NiastellaやRhodanobacterなどの増加とも相関しました。ただし微生物と増収の因果は未実証です。
沖縄では原料ごとに分析する
廃菌床の樹種、キノコ種、培地添加物、堆肥化度でECとC/N比は変わります。論文の比率をそのまま使わず、pH、EC、容積重、孔隙率を測り、少数株で対照区と比較します。高温多湿下では過湿と塩類集積の両方に注意が必要です。
参照した資料
・Frontiers in Plant Science 原著論文(2026年9月7日公開)
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