パッションフルーツのアザミウマは開花期に20匹超——気象で防除時期を絞れるか
コロンビアの商業園を3年間追跡。気温・降雨と害虫密度、薬剤混用の拮抗、費用と残留基準を統合した研究です。
文:けんゆー
黄実系パッションフルーツでは、アザミウマNeohydatothrips signiferが新梢や花を傷め、輸出果の残留基準対応も難しくします。コロンビアの研究は、2haの商業園で2022〜2024年に気象、害虫密度、防除効果、費用を追跡しました。
週2回・54地点で密度を測定
標高962m、年平均22.3℃の園で、54地点を週2回調査。開花期には新梢1本当たり20匹を超え、最低気温とは正の相関(r=0.63)、相対湿度とは負の相関(r=-0.57)があり、降雨が多い時期には密度が下がりました。
混用しても効力は上がらなかった
気温と降雨を入れた負の二項モデルが密度を最もよく説明しました。薬剤混用は複数回で拮抗を示し、単剤より効果が高いとは限りませんでした。植物性カリウム石けんと生物製剤は44〜45%程度の中程度効果を比較的低コストで示しました。
防除費は植物保護費の30.6%
研究期間に約66回の処理があり、アザミウマ防除は植物保護費の30.6%。高価でも効果が0〜9%にとどまる処理があり、予防的な反復散布が費用と環境負荷を増やしていました。一方、残留分析はEU基準への適合を確認しました。
沖縄では種同定と閾値が先
害虫種、天敵相、登録農薬、気象は地域で違います。論文の薬剤名や閾値を流用せず、粘着板と新梢たたき落としで密度を記録し、開花・結実段階、雨量、被害率と結びます。混用はラベルと登録内容を守り、効果と薬害を小区画で確認します。
参照した資料
・Frontiers in Agronomy 原著論文(2026年2月27日公開)
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